この単元は「数字(期間)」と「順番」が命です。
還付時の「通知から2週間以内に供託、供託から2週間以内に届出」というリズムと、取戻し時の「原則6ヶ月以上の公告」をしっかり区別しましょう。
また、「誰が還付を受けられるか(広告代理店や銀行はNG)」や、「いつ公告が不要になるか(二重供託や保証協会加入時)」という例外規定は、試験でのひっかけ問題の常連です。
図を書きながら整理して、確実に得点につなげてくださいね!
営業保証金の単元は2回に分けて投稿します。
営業保証金の還付を受けることができる者
還付を受けることができるのは、宅建業者と宅建業に関して取引をした者で、その取引により生じた債権を有する者。(宅建業者を除く)
宅建業者は、契約前に、営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及びその所在地を説明しなければならないが、 供託額までは説明する必要はない。
宅地建物の購入や、媒介・代理を依頼したことによって生じた代金の返還請求権や損害賠償請求権→還付を受けられる。
広告をつくった広告代理店の報酬請求権、融資をした銀行の返還請求権や働いていた従業員の給料債権→還付を受けることができない。
営業保証金の還付金額
還付を受けることができる金額は、本店、支店、どこで取引しても、その業者が供託している営業保証金の範囲内。
例)本店と支店2ヵ所の宅建業者の場合、供託額は2,000万円なので、還付を受けることができるのも2,000万円以内となる
還付の流れ
お客さんが供託所から還付を受けた場合、営業保証金が不足するので、不足分を追加供託する必要がある。
宅建業者は免許権者から不足分供託の通知書の送付を受けた日から、2週間以内に供託所に追加供託をしなければならない。
宅建業者は免許権者から還付した旨の通知書の送付を受けた日から、2週間以内に供託所に不足額を供託しなければならない。
また、不足額を供託した日から2週間以内に、供託した旨を免許権者に届出なければならない。
これらを怠ると、業務停止処分または免許取消処分を受ける。
営業保証金の取戻し
供託所から営業保証金を返してもらう。
| 取戻し金額 | 取戻し事由 | 取戻し公告の要否 |
| 一部 | 事務所を一部廃止したため、供託している金額が政令で定める金額より多くなった | 原則 6か月以上の期間を定めて公告をしなければならない →その後、遅滞なく、公告した旨を免許権者に届出 |
| 全部 | 免許の有効期限が満了した | 同上 |
| 全部 | 廃業・破産等の届出により免許が失効した | 同上 |
| 全部 | 免許取消処分を受けた | 同上 |
| 取戻し金額 | 取戻し事由 | 取戻し公告の要否 |
| 全部 | 有価証券を含んだ営業保証金を供託している場合で、主たる事務所移転のため、移転先の供託所に営業保証金を供託しなおした(二重供託) | 例外 公告不要 |
| 全部 | 保証協会の社員となり、営業保証金の供託不要となった | 同上 |
| 全部 | 取戻し事由が発生したときから10年が経過した(債権の消滅時効) | 同上 |
問題に挑戦!
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が本店と2つの支店を有する場合、Aの営業保証金に関する次の記述は、宅地建物取引業法の規定によれば、マルかバツか。
1.Aは新たに2つの支店を設置し、同時に1つの支店を廃止したときは、500万円の営業保証金を本店のもよりの供託所に供託し、業務を開始した後、遅滞なくその旨を甲県知事に届け出なければならない。
2.Aが2つの支店を廃止し、その旨の届出をしたときは、営業保証金の額が政令で定める額を超えることとなるので、その超過額1,000万円について公告をせずに直ちに取り戻すことができる。
3.Aが営業保証金を取り戻すために公告をしたときは、2週間以内にその旨を甲県知事に届け出なければならず、所定の期間内に債権の申出がなければその旨の証明書の交付を甲県知事に請求できる。
4.Aは営業保証金の還付がなされ、甲県知事から政令で定める額に不足が生じた旨の通知を受け、その不足額を供託したときは、2週間以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
答えの詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 営業保証金2」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。

