この単元の最大の関門は、やはり「第三者への対抗要件」です。
詐欺と錯誤は「善意・無過失」、虚偽表示と心裡留保は「善意のみ」、強迫は「誰にでも対抗できる」。
このように、パターンによって第三者に求められる条件が微妙に異なるため、本試験ではここが容赦なくひっかけ問題として狙われます。
もし丸暗記で頭がパンクしそうになったら、「冗談を言った人と、それを信じた第三者、どっちを守るべき?」というように、当事者たちのストーリーを想像してみてください。
法律の「誰を守るべきか」という思いやりのルールが見えてくると、スッと答えが導き出せるようになりますよ。
ボリュームがありますので、2回に分けて投稿してます。
錯誤
錯誤とは
錯誤とは勘違いで意思表示すること。
錯誤による意思表示は取り消しできる。
表示の錯誤
意思と表示が違う。意思を表示する際に勘違いしてしまった場合。
動機の錯誤
動機の錯誤とは、意思と表示は合致しているが、動機部分で勘違いしてしまったこと。
錯誤を取り消す条件
錯誤の取り消しを主張するには、条件をクリアしなければならない。
①錯誤が、契約などの法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものであること。
②表意者(勘違いをした人)に重大な過失がないこと。
③動機の錯誤の場合は、表意者が法律行為の基礎とした事情を相手方に表示していたこと。
表意者(勘違いした人;A)に重大な過失がある場合は、原則として取り消すことはできない。
★取り消しができる場合
①相手方もAに錯誤があることを知っていたり、重大な過失により知らなかった場合。
②相手方がAと同一の錯誤に陥っていた時。
第三者がいる場合
第三者が「善意無過失」の場合は対抗できない。
錯誤取り消しできるのは、表意者等であり、相手方や第三者は取り消しの主張はできない。
心裡留保
心裡留保とは、当事者の一方がわざと真意と異なる意思表示をすること。
心裡留保による意思表示は有効である。
ただし、BがAの真意ではないことを知っていた場合(悪意)や、注意すれば知ることができた場合(善意有過失)は無効。
なお、第三者が「善意」の場合は対抗できない。
問題に挑戦!
民法第95条本文は「意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。」と定めている。これに関する次の記述は、民法の規定及び判例によれば、マルかバツか。
1.意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、原則として自らその意思表示を取り消すことができない。
2.表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、民法第95条に基づく意思表示の取消しを主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示を取り消すことはできない。
3.意思表示をなすについての動機を表意者が当該意思表示の基礎とし、かつ、その旨を相手方に明示的に表示した場合は、表意者は、意思表示を取り消すことができる。
4.意思表示をなすについての動機を表意者が当該意思表示の基礎としたが、その旨を相手方に黙示的に表示したにとどまる場合は、表意者は、意思表示を取り消すことができない。
答えの詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 意思表示2」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。

