この単元は、「未完成物件」に関するルールが最大の山場です。
「広告」は貸借も含めてすべて許可後でないとダメですが、「契約」は貸借なら許可前でもOKという違いがあります。ここを混同しないように整理しましょう。
また、「取引態様の明示」は広告時だけでなく、注文を受けた時にも改めて必要である点や、「自ら貸借」は宅建業法上の取引ではないため、そもそも規制を受けないという大原則もしっかり押さえておいてくださいね!
他の単元と絡んで出題されることが多いです。
誇大広告の禁止
新聞、雑誌、立看板、放送、インターネットなど媒体問わず、すべての広告が規制対象となる。
誇大広告の程度
1.著しく事実に相違する表示。(事実をあえて表示しないことで、消極的に誤認させる場合も該当する)
2.実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示。
3.実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示。
実際にその広告を見たお客さんが、これを信じて契約を結び、実害が生じたかどうかは関係ない。
被害が出なくても宅建業法違反となる。
おとり広告の禁止
1.世の中に存在しない物件。
2.存在はするが売ることができない物件。
3.売る意思が ない物件などを広告して、お客さんを集めて、他の商品を紹介するようなこと。
誇大広告、おとり広告をすると、業法違反となり監督処分や罰則を受ける。
誇大広告の規制の対象
規制対象となる内容は大きく3つに分類できる
1.物件に関すること。
2.周辺環境等に関すること。
3.お金に関すること。
| ①物件 | 所在 | 物件の所在地 |
| 規模 | 物件の面積、間取り等 | |
| 形質 | 地目、構造、新築中古の別、ガス、水道、電気等の 供給施設の整備状況 | |
| ②周辺環境 | 現在または将来における利用の制限 | 用途制限、容積率等の公法上の制限 借地権の有無等の私法上の制限 |
| 現在または将来における環境 | 商店、学校、病院等、公共施設の整備状況、景観等 | |
| 現在または将来における交通その他の利便 | 主要駅までの所要時間、最寄り駅や停車場までの距離、所要時間等 | |
| ③お金 | 代金・借賃等の対価の額、支払い方法 | 時期、支払い金額、一括か分割か、融資付きか等 |
| 代金・交換差金における金銭の貸借のあっせん | 融資に関する金利、返済期間などの条件 |
取引態様の明示義務
宅建業者は行う広告などに取引態様を明示しなければならない。
取引の態様のすべてについて明示する。(自ら貸借は含まれない。)
| 売買 | 交換 | 貸借 | |
| 自ら当事者 | 〇 | 〇 | ✕ |
| 代理 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 媒介 | 〇 | 〇 | 〇 |
取引態様の明示は、
1.広告をするときはそのたびごと
2.注文を受けたときは、遅滞なく明示。すでに広告に明示してあってもお客さんが注文してくれる時には改めて明示しなければならない。
3.数回に分けての分譲広告をする場合、それぞれの広告において明示する。
取引態様の明示は口頭でもOK。
明示を怠ると監督処分の対象になるが罰則はない。(誇大広告は罰則あり)
未完成物件の広告
未完成物件については、一定の許可や建築確認等の処分があった後でなければ、広告を開始できない。
同様に原則として、契約(予約も含む)を結んではいけない。
※処分とは都市計画法の開発許可、市街化調整区域内の建築許可、建築基準法の建築確認、盛土規制法の宅地造成等に関する工事の許可など。
建築確認 を受けた後、変更の確認の申請を建築主事へ提出している期間等においては、変更の確認を受ける予定である旨を表示し、かつ、当初の確認の内容をあわせて表示すれば、変更の確認の内容を広告することができる。
未完成物件の広告禁止
1.将来売り出す予定であることを示す予告広告
2.開発許可が下りる見込みで行う見込み広告
3.開発許可申請中、建築確認申請中という広告
の3つが禁止されている。
未完成物件の広告開始時期と契約締結時期
※制限を受ける=処分の後しか広告や契約ができない。
広告開始時期の制限
| 売買 | 交換 | 貸借 | |
| 自ら当事者 | 受ける | 受ける | 受けない |
| 代理 | 受ける | 受ける | 受ける |
| 媒介 | 受ける | 受ける | 受ける |
契約締結時期の制限
| 売買 | 交換 | 貸借 | |
| 自ら当事者 | 受ける | 受ける | 受けない |
| 代理 | 受ける | 受ける | 受けない |
| 媒介 | 受ける | 受ける | 受けない |
問題に挑戦!
宅地建物取引業者Aの行う広告に関する次の記述は、宅地建物取引業法の規定によれば、マルかバツか。
1. Aが、都市計画法第29条の許可を必要とする宅地の分譲をする場合、Aは、その許可を受ける前であっても、許可申請中である旨表示して、その宅地の分譲の広告をすることができる。
2. Aが、宅地建物取引業法第65条第2項の規定により業務の全部の停止を命じられた場合でも、Aは、停止期間経過後に契約を締結する宅地については、停止期間中に、その販売の広告をすることができる。
3.Aが、建物の貸借の媒介をするに当たり、依頼者からの依頼に基づくことなく広告した場合でも、その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき、Aは、報酬とは別に、その広告料金を請求できる。
4. Aが、建物を分譲するに当たり宅地建物取引業法第32条の規定に違反して誇大広告をした場合は、その広告をインターネットを利用する方法で行ったときでも、国土交通大臣又は都道府県知事は、Aに対して監督処分をすることができる。
答えの詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 広告規制」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。

