この単元は、細かい専門用語が多く見えるものの、地形の成り立ちと「水・地盤の安定度」をイメージできれば、暗記量をぐっと減らして確実に1点をもぎ取れるボーナス分野です。
ここで確実に押さえるべき最重要ポイントは2つあります。
1つ目は、「台地や段丘は宅地に適しているが、縁辺部や浅い谷・池沼埋立地は危険」「低地は原則不向きだが、自然堤防や扇状地は比較的適している」という“原則と例外のセット”です(「台地だから絶対に安全」「低地だからすべて不適」とする引っかけが頻出です)。
2つ目は、「干拓地よりも埋立地の方が海面より高く水害リスクが低い」「等高線は急なところが密・緩やかなところが疎、山頂側に凹んでいる(高い方に凸)のが谷」といった正反対の入れ替え問題です。
問題文の地形が「水を含みやすいか」「崩れやすいか」を頭に思い浮かべながら、確実に正解肢を選び出しましょう。
あこ課長あこ画伯の絵をお楽しみください
宅地に適した地形
どのような土地が宅地として適切か、また適切ではないかという点に注目する。


宅地に適している場所
◎丘陵地 ◎台地 ◎段丘
一般的に水はけがよく、地耐力もあり、洪水や地震に対する安全度も比較的高いので、一般的には宅地として適している。しかし、丘陵地や台地の縁辺部はがけ崩れの危険があり、丘陵地や台地内の浅い谷は軟弱地盤であることが多く、特に注意が必要。また、切土と盛土により造成した地盤の場合、境目では地盤の強度が異なるため、不同沈下が起こりやすい。


△山麓部
いわゆる山のふもとで崩壊の恐れがある古い土石流の堆積でできていたり、地すべりによってできた地形になっている。また、鉄砲水の危険性のある谷の出口では、地すべりや土石流、崩壊などの災害の危険性があり、宅地には適していない。ただし、地層が安定している場合には地すべりの危険も少なく、宅地に適しているが、末端の急斜面などは斜面崩壊の危険性が高く宅地に適していない。
◯扇状地 ◯自然堤防
低地であっても、扇状地(山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積し、扇状の平坦地となった地盤で、等高線は同心円状になる)、旧天井川の廃川敷、砂丘、砂州、自然堤防などは、比較的宅地に適している。


宅地に適していない場所
✕低地部
洪水、津波や地震に弱く、一般的に宅地としては適していない。この中でも、低いデルタ地域(河川の河口付近で見られる三角州)旧河道、沼沢地、自然堤防(河川の上流から運ばれてきた土砂が、川岸に堆積した微高地)に囲まれた後背湿地などは、特に地震、洪水に弱く、とりわけ宅地には適さない。


✕干拓地 △埋立地
一般的には宅地には適していない。ただし、埋立地は干拓地と異なり、立地が海面より高いことが多いので、干拓地よりは安全。


土地まとめ図


液状化現象
地震等の際、河川や海面などを埋め立てて造成した地盤などにおいて、振動によって水分と砂が混ざり合い、その結果、互いに摩擦力は失われ軟弱な地盤になってしまう現象。比較的、粒径のそろった砂地盤で、地下水位の高い、地表から浅い地域で発生しやすく、例えば、台地上の池沼を埋め立てた地盤は、液状化に対しても必ずしも安全であるとは言えない。


土地の特徴と現象
崩壊跡地
斜面崩壊によってできた地形。再度、崩壊の恐れがあるので安全ではない。
地すべり地
地すべり地形と呼ばれる特有の地形を形成し、棚田などの水田として利用されることもある。また、山麓の地形の中で地すべりによってできた地形については、その末端の急斜面部等は斜面崩壊の危険度が高い。なお、地すべり地の等高線の多くは乱れて表れる。
断層
ある面を境にして、地層が上下または水平方向に食い違っている状態。断層周辺では地盤の強度が安定していないため、断層に沿った崩壊や地すべりが発生する危険性が高い。


崖錐
雨や風化などの影響で落下した岩などが堆積した、傾斜の緩い円錐形をした地形。崖錐堆積物におおわれた地形は、透水性が高く、切土をすると崩壊や地すべりを起こしやすい。また、集中豪雨のときは土石流が発生する危険性が高く、一般に宅地には適していない。
切土・盛土・擁壁
切土
・風化による強度の低下と流水による浸食のおそれがあり、原則として擁壁を設置しそのがけ面(のり面)を覆い、保護する必要がある。
・切土斜面は切土掘削直後の斜面安定が確認できても、雨・風・地震などによって、掘削後時間の経過とともにしだいに不安定になっていくので注意が必要。
・切土したがけ面に湧水が見られる場合、一般にその湧水地点から上の部分のほうが、それより下の部分よりもがけくずれなどを起こしやすい。
・樹木が育成する斜面地では、その根が土層と堅く結合していても、根よりも深い位置の斜面崩壊に対しては、樹木による安定効果を期待することができない。
盛土
・盛土による造成においては、原則、擁壁を設置し、のり面を覆わなければならない。
・地表水の浸透により、地盤にゆるみ、沈下または崩壊が生じないように締め固める。
・軟弱地盤は盛土をすると、大きな沈下を生じたり、側方に滑ったりすることがあり、そこに隣接する建物などが傾くなどの影響を及ぼすことがある。
・著しく傾斜している谷に盛土して宅地を造成する場合、盛土前の地盤と盛土が接する面がすべり面となって崩壊するおそれがあるので、原地盤に繁茂している樹木を残したままの盛土を行うべきではなく、斜面を削り取るなどして斜面崩壊を防ぐ必要がある。
擁壁
・原則として、鉄筋コンクリート造など一定の構造のものでなければならない。
・既存の擁壁の上に、ブロックを積み増し、盛土して造成した場合、盛土した部分の地盤強度不均衡等で崩壊する危険がある。
・重力式擁壁は、擁壁の自重により、背面からの土圧に抵抗するコンクリート構造物である。
・30度以上の角度をなす斜面を背後に控える宅地は、崖面への保護対策を講じるか、擁壁を設けるなどの必要がある。
等高線
等しい高さを結んだ線。地形図で見ると、急傾斜については等高線の間隔が密になっているのに対し、傾斜が緩やかな土地については等高線は疎となっている。また、等高線が乱れているところは、過去に崩落等が発生した可能性がある。


等高線が山頂に向かって高い方に弧を描いている部分は谷で、山頂から見て等高線が張り出している部分は尾根である。


問題に挑戦!
土地に関する次の記述は、マルかバツか。
1.地すべり地の多くは、過去に地すべり活動を起こした経歴があって、地すべり地形と呼ばれる独特の地形を呈し、棚田等の水田として利用されることがある。
2.樹木が生育する斜面地では、その根が土層と堅く結合しても、根より深い位置の斜面崩壊に対しては、樹木による安定効果を期待することはできない。
3.谷出口に広がる扇状地は、土砂・礫が堆積してできたものであるため、地盤は堅固でないが、土石流災害に対しては安全であることが多い。
4.自然堤防の背後に広がる低平地は、軟弱な地盤であることが多く、盛土の沈下が問題になりやすい。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 土地」を御覧ください。



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ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。





