今回も前回に引き続き、景品表示法について学習します。
今年は改正がありましたので、要チェックです!
この単元は常識で解ける問題ですが、数字はしっかりおさえておきましょう。
また、法令上の制限や権利関係で学習したところも出てきます。
イメージしやすいように、なるべく図を使って、試験中に思い出せるよう工夫して解説します。
最後にアウトプット問題もありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
景品表示法は2回に分けて投稿します。
表示義務
①住宅(マンションにあっては、住戸)の価格は、1戸あたりの価格を表示すること。この場合、取引する全ての住戸の価格を表示しなければならない。ただし、新築分譲住宅、新築分譲マンション及び一棟リノベーションマンションの価格については、パンフレット等の媒体を除き、1戸当たりの最低価格、最高価格及び最多価格帯並びにその価格帯に属する住宅又は住戸の戸数のみで表示することができる。また、この場合において、販売戸数が10戸未満であるときは、最多価格帯の表示を省略することができる。※土地についても同様
②賃貸される住宅(マンションやアパートは住戸)の賃料については、取引する全ての住戸の1か月あたりの賃料を表示する。ただし、新築賃貸マンション、新築賃貸アパートの賃料については、パンフレット等の媒体を除き、1住戸あたりの最低賃料、最高賃料を表示する。
③管理費については、1戸あたりの月額を表示する。ただし、住戸により金額が異なる場合で、すべての住宅の管理費を表示することが困難である場合は、最低額、最高額のみで表示することができる。
④建物の面積(マンションは専有面積)は延べ面積を表示し、これに車庫、地下室等の面積を含むときは、その旨およびその面積を表示する。この場合、取引する全ての建物の面積を表示すること。ただし、新築分譲住宅、新築分譲マンション及び一棟リノベーションマンション、新築賃貸マンション等については、パンフレット等の媒体を除き、最小建物面積及び最大建物面積のみで表示することができる。
⑤採光および換気のための窓、その他の開口部の面積の当該室の床面積に対する割合が、建築基準法の規定に適していないため、居室と認められない納戸、その他の部分についてはその旨を「納戸」等と表示する。
⑥地目は登記簿に記載されているものを表示する。(現況の地目と異なる場合は、現況の地目も併記する)
⑦温泉法による温泉については、温泉に加温、加水したもの等については、その旨を明示する。
⑧デパート、スーパーマーケット、商店等の商業施設は、現に利用できるものを、物件までの道路距離、徒歩所要時間を明示して表示する。ただし、工事中である等、その施設が将来確実に利用できると認められる場合は、その整備予定時期を明示すれば表示できる。
⑨遮音・断熱等を目的とした建築部材自体の性能を表示する場合において、実際の住宅内における遮音・断熱性能等が、用いられる建築構造等により、その部材自体の性能とは異なる可能性がある場合にはその旨を表示する。
⑩宅地、建物の写真または動画は、取引するものの写真を用いて表示する。ただし、取引をしようとする建物が、建築工事の完了前である等、その建物の実際の写真を用いることができない事情がある場合は、取引しようとする建物を施工する者が過去に施工した建物であり、規模、形質および外観が同一のであるものに限り、他の建物の外部写真、または内部写真を用いることができる。写真が他の建物のものであることを、写真に接する位置に明示する。動画の場合は画像中に明示しなければならない。
⑪住宅ローンに関しては、①金融機関の名称・商号(または都市銀行、地方銀行、信用金庫等の種類)②借入金の利率および利息を徴する方式(固定金利、変動金利型などの種別)または返済例を明示して表示する。
⑫事業者は、売主・媒介などの取引態様の別を、これらの用語を用いて適正に表示する。直販・委託等の用語による表示は取引態様の表示とは認められない。
⑬物件が公園、庭園、旧跡その他の施設又は海(海岸)、湖沼若しくは河川の岸若しくは堤防から直線距離で300メートル以内に所在している場合は、これらの名称を用いることができる。物件から直線距離で50メートル以内に所在する街道その他の道路の名称(坂名を含む。)を用いることができる。
⑭物件からの眺望若しくは景観又は物件を中心とした眺望若しくは景観を示す写真、動画、絵図又はコンピュータグラフィックスによる表示であって、事実に相違する表示又は実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示をしてはいけない。
⑮住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合には、畳1枚当たりの広さは1.62㎡(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること。
⑯学校、病院等の公共・公益施設は、現に利用できるものを表示し、物件からの道路距離または、徒歩所要時間を明示すること。原則、その施設の名称を表示すること。
特定用語の使用基準
新築
建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないもの。
新発売
新たに造成された宅地または新築の住宅、一棟リノベーションマンションについて、一般消費者に対し、初めて購入の申し込み勧誘を行うこと。購入の申し込みを受けるに際して、一定の期間を設ける場合は、その期間内における勧誘をいう。
LDK リビング・ダイニング・キッチン
居間と台所と食堂の機能が一室に併存する部屋をいう。※DKはダイニング・キッチン=台所と食堂の機能が1室に併存する部屋。
事業者は「業界一」「特選」「最高」「激安」等の用語を用いて表示するときは、その表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合を除いて、その用語を使用できない。
不当な二重価格表示の禁止
事業者は物件の価格、賃料、または役務の対価について、二重価格表示をする場合は、事実に相違する広告表示、または実際のもの、もしくは競争事業者に係るものよりも有利であると誤認されるおそれのある広告表示をしてはならない。
なお、過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格については
①過去の販売価格の公表日および値下げの日を明示すること。
②値下げの2か月以上前に公表された価格であって、かつ値下げ前2か月以上にわたり実際に販売のために公表していた価格であること。
③一定のものを除いて、土地・建物についての表示であること。
④値下げの日から6か月以内に表示するものであること。
⑤過去の販売価格の公表日から二重価格表示を実施する日まで、物件の価値に同一性が認められるものであること。
の全てに適合し、資料により客観的に明らかにすることができる場合を除き、不当な二重価格表示となる
おとり広告の禁止
物件が存在しないため、実際には取引することができない物件。
物件は存在するが、実際には取引の対象となりえない物件。
物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件。
表示の修正等
事業者は継続して物件に関する広告、その他の表示をする場合で、それらの内容に変更があった時は速やかに修正し、またはその表示を取りやめなければならない。
景品類の制限額
懸賞により提供する景品類 | 取引価格の20倍、または10万円のいずれか低い額。 ただし、提供できる景品類の総額は、懸賞に係る取引予定総額の 100分の2以内とする。 |
懸賞によらないで提供する景品類 | 取引価格の10分の1、または100万円のいずれか低い額。 |
問題に挑戦!
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法の規定によれば、マルかバツか。
1.不動産の販売広告において、自己の販売する物件の価格等の取引条件が競争事業者のものより有利である旨表示し、一般消費者を誘引して顧客を獲得しても、その表示内容を裏付ける合理的な根拠を広告に示していれば、不当表示となるおそれはない。
2.不動産の販売広告に係る甲物件の取引を顧客が申し出た場合に、甲物件に案内することを拒否したり、甲物件の難点を指摘して取引に応じることなく顧客に他の物件を勧めたときでも、甲物件が存在していれば、その広告は不当表示となるおそれはない。
3.新聞の折込広告において、分譲住宅40戸の販売を一斉に開始して1年経過後、売れ残った住宅30戸の販売を一時中止し、その6ヵ月後に一般日刊新聞紙の紙面広告で当該住宅を「新発売」と表示して販売したときでも、広告媒体が異なるので、不当表示となるおそれはない。
4.市街化調整区域内に所在する土地(開発許可を受けた開発区域内の土地その他の一定の土地を除く。)の販売広告においては、「市街化調整区域」と表示し、このほかに「現在は建築不可」と表示しさえすれば、市街化区域への区分の変更が行われる予定がないとしても、不当表示となるおそれはない。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 景品表示法2」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。