今回は宅建業者がお客さんから受け取る報酬額について学習しましょう。
過去12年で毎年出題されている単元です。
報酬は、基礎的な内容は難しくありませんが、計算問題ができないと解けない単元です。
他の単元と違って、内容を暗記できれば良しではありません。
覚えた知識を使って、計算をしなければいけないので、苦手意識を持つ方も少なくありません。
でも、逆をいえば、計算問題ができれば、内容も理解でき、覚えているということなので、過去問などで、どんどん計算問題にチャレンジしていきましょう。

ボリュームがありますので、2回に分けて投稿してます。
報酬額を制限する規定
宅建業者は国土交通大臣が定める額を超えて、報酬を受け取ることはできない。
不当に高額の報酬を要求してはいけない。
実際に受け取るかどうかは関係なく、要求すること自体が宅建業法違反となる。
宅建業者は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に報酬額を掲示しなければならない。


成約できなかった場合の経費等
成約に至らなかった場合は、報酬もかかった経費なども請求できない。


◎例外
①依頼者からの依頼によって行う広告費。
②特別の依頼により支出を要する特別の費用で、事前に依頼者の承諾があるもの。


低廉な空家等の特例
例)遠隔地における現地調査や空家の特別な調査等に要する費用
低廉な空家等の特例
→通常の売買、交換の媒介、代理よりも現地調査等の費用を要するものに関して、通常の報酬額に加えて、現地調査等に要する費用相当額の報酬も受領できる。
依頼者である売主から受領するものに限られ、報酬限度額は180,000円(+税)が上限となる。
特例の条件
①売買代金額(税抜)または交換の宅地・建物の価格(税抜・高い方)が400万円以下の宅地・建物であること。
②売買・交換の代理・媒介であること。
③通常の売買・交換の媒介と比較して、現地調査等の費用を要するものであること。
④売主や交換を行う依頼者から受ける報酬であること(買主や交換の相手方から受ける報酬は×)。
⑤現地調査等に要する費用に相当する額であること→あらかじめ依頼者に対して説明、合意が必要。
消費税
宅建業者が課税事業者の場合、報酬額に10%の消費税額を上乗せした金額を受け取ることができる。
宅建業者が免税業者の場合、報酬額に4%を上乗せすることができる。
※4%は消費税ではなく、仕入れにかかる消費税相当額(みなし仕入れ率)。
◎課税されるものと、課税されないものがある


報酬額計算
公式
依頼者の一方から受け取れる限度額の基本計算


※代金額とは、売買の場合は代金額から消費税額を除いた価額。
交換の場合は評価額から消費税額を除いた価額で、2つの物件の価額に差がある場合は高い価額。
ごろあわせ


例)販売価格が2,000万円の土地と3,300万円の建物の売買の媒介の場合の計算
気をつけるのは、土地は非課税だが建物は課税されていること。
報酬計算は ①建物;3300÷1.1=3000 ②2000+3000=5000 ③5,000万円×3%+6万円=1,560,000円
答)課税業者は1,560,000×1.1=1,716,000円 免税業者は1,560,000×1.04=1,622,400円
取引態様別報酬の限度額


媒介の際、一方から受け取れる報酬限度額を1,716,000円とする。




複数の宅建業者がいる場合
複数の宅建業者が同一の取引で関与する場合
①各業者が受領できる範囲内
②総額は全業者を1人とみなして受領できる限度額内


媒介の際、一方から受け取れる報酬限度額を36万円とする


問題に挑戦!
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が売主B(消費税課税事業者)からB所有の土地付建物の媒介の依頼を受け、買主Cとの間で売買契約を成立させた場合、AがBから受領できる報酬の上限額は、次のうちどれか。なお、土地付建物の代金は6,600万円(うち、土地代金は4,400万円)で、消費税額及び地方消費税額を含むものとする。
1.1,980,000円
2.2,046,000円
3.2,178,000円
4.2,244,000円
答えは3です。詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 報酬①」を御覧ください。



YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。