この単元は、「工事が終わった後や既存の土地をどう安全に保つか」という管理・処分のルールを学びます。
ここで確実に押さえるべき最重要ポイントは2つあります。
1つ目は、造成宅地防災区域は「宅地造成等工事規制区域に指定されていない土地(規制区域外)」にのみ指定されることです。「これからの工事を規制する区域(宅造区域)」と「すでにある造成宅地の危険に備える区域(造成宅地防災区域)」は絶対に重なりませんので、この違いを問う引っかけ問題に注意しましょう。
2つ目は、都道府県知事等が行う「保全勧告」や「改善命令」の相手方として、土地の所有者・管理者・占有者だけでなく、工事主や工事施工者、土木会社など実際に工事を行った者も含まれ得ることです。
法律の言葉は堅苦しく感じられますが、「誰が責任を取る場面なのか」を状況ごとにイメージしながら整理していけば、本試験の選択肢を自信を持って見極められるようになりますよ。
あこ課長宅地造成等規制法は3回に分けて投稿します。
監督処分
都道府県知事が監督処分を行う。
原則として弁明の機会が付与されるが、緊急の必要があり、かつ違反をしていることが明らかな場合は、弁明の機会の付与なしで工事を停止できる。
| 監督処分を受ける者 | 処分の理由 | 処分の内容 | |
| ・許可を受けた者 工事主 | ・不正な手段で許可を受けた ・許可の条件に違反した | ・許可の取消し | |
| 工事中 | ・工事主 ・工事請負人 ・現場管理者 | ・許可を受けずに工事を施行 ・許可の条件に違反 ・中間検査違反 | ・工事施行の停止 ・擁壁等の設置命令 ・その他、災害防止のため必要な措置 |
| 工事終了後 | ・工事主 ・土地の所有者 ・管理者 ・占有者 | ・許可を受けずに造成 ・中間・完了検査を受けていない ・技術的基準に不適合 | ・土地の使用禁止または制限 ・擁壁等の設置 ・その他、災害防止のため必要な措置 |


規制区域内の宅地の保全義務等
保全義務
規制区域内の宅地の所有者・管理者・占有者は、宅地造成等(規制区域の指定前に行われたものも含む)に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければならない。
保全勧告
都道府県知事は規制区域内の土地について、宅地造成等(規制区域の指定前に行われたものも含む)に伴う災害防止のため、必要があると認めるときは、その土地の所有者・管理者・占有者・造成主・工事施行者に対し、擁壁や排水施設の設置・改造などの必要な措置をとることを勧告できる。
改善命令
都道府県知事は規制区域内の土地で、宅地造成や特定盛土等(規制区域の指定前に行われたものも含む)に伴う災害防止に必要な擁壁等が設置されていない、または土石の堆積に伴う災害防止のために必要な措置が取られていない等のために、災害発生のおそれが大きい場合は、その土地・擁壁等の所有者・管理者・占有者に対し、相当の猶予期限をつけて、擁壁や排水施設等の工事を命じることができる。また土木会社など所有者等以外の者で工事等の行為を行った者に対しても、改良等の工事を命じることができる。
報告
知事は規制区域内の土地の所有者、管理者、占有者に対して、その土地に行われている工事の状況等について報告を求めることができる。
造成宅地防災区域
都道府県知事は宅地造成等工事規制区域に指定されていない土地で、基礎調査をし、その結果をふまえ、必要があると認めるときは、宅地造成または特定盛土等(宅地において行うものに限る)に伴う災害で、相当数の居住者などに危険を生ずる災害が発生するおそれの大きい一団の造成宅地の区域内での一定の場所を、造成宅地防災区域として指定できる。また指定の事由がなくなった場合は、解除することができる。
※造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域以外の区域に指定される


造成宅地防災区域内の保全義務等
保全義務
造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者・管理者・占有者は、宅地造成または特定盛土等に伴う災害が生じないようにするための擁壁や排水施設等の設置・改造などの必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
保全勧告
都道府県知事は造成宅地防災区域内の造成宅地について、宅地造成または特定盛土等に伴う災害防止のため、必要があると認めるときは、その造成宅地の所有者・管理者・占有者に対し、擁壁や排水施設等の設置・改造などの必要な措置をとることを勧告できる。
改善命令
都道府県知事は造成宅地防災区域内の造成宅地で、宅地造成または特定盛土等に伴う災害防止に必要な擁壁等が設置されていない等、放置すると災害発生のおそれが大きい場合は、その造成宅地・擁壁等の所有者・管理者・占有者に対し、相当の猶予期限をつけて、擁壁や排水施設等の設置、改造、改良工事を命じることができる。また、一定の場合、土木会社など工事等の行為を行った者に対しても、改良等の工事を命じることができる。
盛土規制法まとめ




問題に挑戦!
宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述はマルかバツか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。
1.工事主は、特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する政令で定める規模の工事の許可の申請をするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2.宅地造成等工事規制区域内の土地の工事主又は工事施行者は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。
3.都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のために必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対して、擁壁等の設置等の必要な措置をとることを勧告することができる。
4.宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた工事主は、当該許可に係る土地の見やすい場所に、主務省令で定めるところにより、氏名又は名称その他の主務省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 盛土規制法3」を御覧ください。



YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。









