この単元は、専門用語が多く登場するため敬遠されがちですが、本試験では「組合施行」と「公的施行」のルールの違いを突く引っかけ問題がパターン化されています。
ここで確実に押さえるべき最重要ポイントは2つあります。
1つ目は、土地区画整理組合の設立には「所有者・借地権者の各3分の2以上の同意(頭数だけでなく面積も各3分の2以上)」が必要であり、設立後は反対していた人や後から土地を取得した人も組合員になりますが、「借家人(建物を借りている人)」は組合員に含まれないことです。
2つ目は、公的施行(都道府県や市町村など)において権利者の意見を反映する機関は「土地区画整理審議会」であるのに対し、組合施行では「総会の議決」によって計画などを決定するという意思決定組織の違いです。
まずは「いびつな土地(従前の宅地)を整った土地(換地)に変え、余った部分(保留地)を費用に充てる」という事業の全体像を頭に浮かべながら、頻出の要件を整理していきましょう。
あこ課長土地区画整理法は2回に分けて投稿します。
土地区画整理事業
道路や公園などの公共施設を整備し、整理されたまちづくりを行う。
宅地=公共施設の用に供されている国または地方公共団体の所有する土地以外の土地。
土地区画整理事業とは、都市計画区域内(市街化調整区域を含む)の土地について、公共施設の整備改善、宅地の利用増進を図るために行われる事業。土地の区画形質の変更や、道路・公園などの公共施設の新設・変更を行う。


土地区画整理事業の流れ


減歩・換地処分
土地区画整理事業は減歩や換地処分という方法で行われる。


減歩→公共施設の用地と保留地に当てるため、土地の所有者から土地の一部を無償で提供してもらうこと。
換地処分→換地を、法律上、従前の宅地に代わる土地として確定させる手続き。
土地区画整理事業の施行者
民間施行
| 個人施行者 宅地の所有者、借地権者が一人か 数人で行う | ・規準(一人施行)または規約(共同施行)と事業計画を定め、その施行について都道府県知事の認可を受けなければならない ・相続等の一般承継があった場合には、その一般承継人は施行者となる |
| 土地区画整理組合 宅地の所有者、借地権者が7人以上で共同して定款や事業計画を定めた上で、都道府県知事の認可を受け設立 する組合 | ・組合設立の認可にあたって、定款・事業計画について、施行地区となる区域内の宅地の所有者、借地権者の各3分の2以上の同意が必要 ・施行地区内の宅地の所有者、借地権者は全員、組合員となるが、借家人はならない。事業施行中に組合員から宅地を取得し、所有者となった者も組合員となる ・設立、解散には都道府県知事の認可が必要 |
| 区画整理会社 宅地の所有者、借地権者を株主とする株式会社で一定の要件に該当するもの | 規準と事業計画を定め、所有者、借地権者の各3分の2以上の同意を得た上で、その施行について都道府県知事の認可を受けなければならない。 |
公的施行
| 公的施行 都道府県、市町村、国土交通大臣、都市再生機構 地方住宅供給公社 | 必ず都市計画事業(市街地開発事業)として行われる →市街化調整区域では施行されない →施行者が市町村の場合は知事の認可、都道府県の場合は 国土交通大臣の認可が必要 →都道府県・市町村が施行する土地区画整理事業については 事業ごとに土地区画整理審議会が置かれる |
土地区画整理組合の成立
組合設立の認可の申請は、都道府県知事に対して行う。
都道府県知事は申請を受けた後、その事業計画を2週間、公衆の縦覧に供し、関係権利者に意見書の提出の機会を与えなければならない。
都道府県知事が組合設立の認可をすれば、組合は成立する。
認可の公告後、1ヶ月以内に総会を招集しなければならない。この総会の会議は、定款に特別に定めがある場合を除くほか、組合員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
参加組合員とは、事業資金を負担して土地区画整理事業に参加し、換地計画で宅地を与えられる者。
経費の賦課徴収とは、土地区画整理組合が事業に必要な経費に充てるため、組合員からお金を集めること。
建築行為等の制限


この期間に施行地区内において①~③の行為を行おうとするものは、国土交通大臣(国土交通大臣が施行する場合)または都道府県知事(市の区域内において、個人施行者・組合・区画整理会社および市が施行する区画整理事業の場合はその市長)の許可が必要。
①事業施行の障害となるおそれのある土地の形質の変更。
②事業施行の障害となるおそれのある建築物の建築(新築・増改築等)、工作物の建設。
③移動の容易でない物件(5t超)の設置、堆積。
許可を受けずに上記行為を行った場合、土地の原状回復、建築物等の移転、除却を命じることができる。
換地計画
換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。(施行者が都道府県、国土交通大臣以外の場合)
組合施行の場合、換地計画の作成にあたり、組合の総会の議決が必要。
公的施行の場合、土地区画整理審議会は、権利者等の意見をできるだけ反映できるよう事業ごとに設置される。


換地計画で定めるもの
| 換地 | ・換地は従前の宅地と条件(位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等)が同じようなものでなければならない=換地照応の原則 ・公共施設の用に供している宅地に対しては、換地計画において、その位置、地積等に特別の考慮を払い、換地を定めることができる。 |
| 清算金 | ・換地に関して(換地を定めない場合も含む)不均衡が生ずる場合には金銭により清算。その額を換地計画に定める。 損→清算金を交付 得→清算金を徴収 ・換地を定めるのが原則だが、宅地の所有者の申出または同意(借地権者等がいる場合はその同意)がある場合には、換地計画において換地を定めなくてもよい。その場合は清算金で調整する。 |
| 保留地 換地として定めず施行者が保有している土地 | ●民間施行の場合 ①土地区画整理事業の施行費用に充てるため ②規準、規約、定款で定める目的のため ●公的施行の場合 土地区画整理事業の施行費用に充てるためのみ 土地区画整理審議会の同意が必要 |
問題に挑戦!
土地区画整理事業に関する次の記述は、土地区画整理法の規定によれば、マルかバツか。
1.個人施行者について、施行者以外の者への相続、合併その他の一般承継があった場合においては、その一般承継者は、施行者となる。
2.土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業は、市街化調整区域内において施行されることはない。
3.市町村が施行する土地区画整理事業については、事業ごとに土地区画整理審議会が置かれる。
4.都道府県が施行する土地区画整理事業は、すべて都市計画事業として施行される。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 土地区画整理法1」を御覧ください。



YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。








