宅建業の免許について、前回は都道府県知事と国土交通大臣の免許の違い、免許の更新、免許換えの学習をしました。
今回は宅建業者名簿の変更の届け出、免許証の書換え交付や返納、廃業等の届出、みなし業者について学習しましょう。
特に「宅建業者名簿の変更の届出」は、「宅建士登録簿の変更の登録」と言葉に似ているので、受験生が混乱するところです。
一単元ずつしっかり学習して、1点取れるようがんばりましょう。
免許の単元はボリュームがありますので、3回に分けて投稿してます。
宅建業者名簿
宅建業者名簿の備え付け
業者情報は免許権者の元に(国土交通大臣免許の場合は主たる事務所の所在する都道府県にも)、宅建業者名簿が備え付けられ、一般の閲覧ができるようになっている。
免許権者が業者情報を把握するため、また、取引をするお客さんにとっても好ましいので、宅建業者名簿は必ず作成される。
国土交通省のHPにある、建設業者・宅建業者等企業情報検索システムから、宅建業者を検索して情報を見ることができる。
宅建業者名簿の登載事項
登載事項 | |
1 | 免許証番号・免許年月日 |
2 | 商号・名称 |
3 | 法人の場合、役員(非常勤取締役、監査含む)の氏名・政令で定める使用人の氏名 |
4 | 個人の場合、その者の氏名・政令で定める使用人の氏名 |
5 | 事務所の名称・所在地 |
6 | 事務所ごとに置かれる成年者である専任の宅建士の氏名 |
7 | 指示または業務停止の処分を受けているときはその年月日と内容 |
8 | 宅建業以外の事業を行っているときは、その事業の種類 |
9 | 取引一任代理等の認可を受けているときはその旨及び認可の年月日 |
宅建業者名簿の変更の届出
商号・名称 、 法人の場合、役員(非常勤取締役、監査含む)の氏名・政令で定める使用人の氏名 、 個人の場合、その者・政令で定める使用人の氏名 、 事務所の名称・所在地 、 事務所ごとに置かれる専任の宅建士の氏名 に変更があった場合は、30日以内に免許権者に変更の届出をしなければならない。
都道府県知事免許の場合、直接、都道府県知事に届出をし、国土交通大臣免許の場合、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して届出をする。
※役員、政令で定める使用人、専任の宅建士の住所や本籍地が変わっても変更の届出は必要ない。
これらの氏名については、希望があれば旧姓併記で申請できる。
宅建業者の免許証
名称や所在地に変更があった場合、名簿の変更の届出とあわせて、免許証の書換え交付の申請をしなければならない。
事由 | 行動 |
商号など一定の記載事項に変更あり | 免許証の書換え交付の申請 |
免許証をなくした、破損した | 免許証の再交付申請 |
宅建業の廃業、免許取消処分 | 免許証の返納 |
免許の期間満了 | 免許証の返納は不要 |
廃業等の届出
宅建業者が宅建業をやめるとき、届出をしなければならない。
- 個人業者が死亡した場合、その事実を知った日から30日以内に、相続人が届け出る。免許失効は死亡時。
- 個人業者が破産手続開始の決定となった場合、その日から30日以内に、破産管財人が届け出る。免許失効は届出の時。
- 法人業者が破産手続開始の決定となった場合、その日から30日以内に、破産管財人が届け出る。免許失効は届出の時。
- 個人業者が廃業する場合、その日から30日以内に、本人が届け出る。免許失効は届出の時。
- 法人業者が廃業する場合、その日から30日以内に、代表役員が届け出る。免許失効は届出の時。
- 法人業者が解散する場合、その日から30日以内に、清算人が届け出る。免許失効は届出の時。
- 法人業者が合併消滅する場合、その日から30日以内に、消滅会社の代表役員が届け出る。免許失効は合併の時。
みなし業者
宅建業の免許は一身専属的である(その人に対してのみ与えられる。)
したがって、相続や合併によって、承継されない。また、個人の宅建業者が法人を設立し、代表取締役になる場合も承継されず、法人として新たに免許が必要となる。
ただし、「みなし業者」という特例がある。
お客さんが困らないよう、締結した契約に基づく取引を完了する目的の範囲内で効力を持つ。
契約を締結した人 | みなし業者 |
死亡した宅建業者 | その相続人 |
宅建業者でない法人と合併し消滅した宅建業者 | 存続会社(吸収合併)または設立会社(新設合併) |
免許を取り消された宅建業者・廃業した宅建業者・免許の効力がなくなった宅建業者 等 | 宅建業者であったもの |
問題に挑戦!
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、マルかバツか。
1.法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)について破産手続開始の決定があった場合、その日から30日以内に、Aを代表する役員Bは、その旨を、甲県知事に届け出なければならない。
2.宅地建物取引業者Cは、宅地又は建物の売買に関連し、兼業として、新たに不動産管理業を営むこととした。この場合、Cは兼業で不動産管理業を営む旨を、免許権者である国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
3.宅地建物取引業者である法人Dが、宅地建物取引業者でない法人Eに吸収合併されたことにより消滅した場合、一般承継人であるEは、Dが締結した宅地又は建物の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において宅地建物取引業者とみなされる。
4.宅地建物取引業者F(丙県知事免許)が、免許の更新の申請を怠り、その有効期間が満了した場合、Fは、遅滞なく、丙県知事に免許証を返納しなければならない。
答えの詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 免許2」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。