保証協会の業務、弁済業務保証金分担金の納付、弁済業務保証金の供託、事務所を増設した場合について解説します。
保証金の流れを図解しましたので、確認しましょう。
また、用語の区別をしっかりつけておかないと、ひっかけ問題に引っ掛かってしまいます。
営業保証金の単元とあわせて、過去12年の試験で毎年、出題されている単元です。
営業保証金との比較がミソになってくるところですので、しっかり勉強すれば、点数がとれる単元です。

保証協会の単元は2回に分けて投稿します。
営業保証金と保証協会
新たに業務を始める宅建業者には、営業保証金は高額で負担が大きい。
そこで保証協会に納付すれば、営業保証金の供託は免除とし、宅建業を始めることができる制度。


弁済業務保証金分担金と弁済業務保証金
宅建業法を勉強していく中で、営業保証金と保証協会という単元になっていますが、実際は営業保証金と対になる用語は弁済業務保証金です。
「分担金・納付」は宅建業者から保証協会。
「保証金・供託」は保証協会から供託所。
供託所は宅建業者の最寄りの供託所ではなく、法務大臣及び国土交通大臣の指定する供託所、現在は東京法務局。


保証協会の社員
保証協会は国土交通大臣の指定を受けた一般社団法人であり、社員は宅建業者のみ。


任意的業務は国土交通大臣の承認を受けて保証協会が行うことができる業務。
保証協会への任意加入
宅建業者は保証協会に任意で加入することができる。
ただし、重ねて2つの保証協会に加入することはできない。


宅建業者が新たに保証協会に加入したときは、保証協会はただちにその旨を業者の免許権者に報告しなければならない。
社員が社員となる前に取引をしたものが有する債権に関する弁済によって、自己の弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、担保の提供を求めることができる。
弁済業務保証金分担金の納付
宅建業者は保証協会に加入するまでに分担金を納付しなければならない。
金銭のみで納付。(有価証券は×)


保証協会の場合)本店と支店2ヵ所の宅建業者の場合、保証協会に納付する額は60万+30万×2で合計120万円。
営業保証金の場合)本店と支店2ヵ所の宅建業者の場合、供託額は1,000万+500万×2で合計2000万円。
弁済業務保証金の供託
保証協会は宅建業者から分担金の納付を受けた日から1週間以内に、納付相当額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
弁済業務保証金は有価証券も可能。


保証協会が弁済業務保証金を供託した場合には、納付した宅建業者の免許権者に対して届出をしなければならない。
事務所を増設した場合
宅建業者は事務所を増設した場合、増設した日から2週間以内に増設に係る額の分担金を保証協会に納付しなければならない。
増設後2週間以内に分担金を納めない場合は社員たる地位を失う。
保証協会の社員たる地位を失った場合に、引き続き宅建業者として仕事をしたい場合は、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならない。
供託しない場合は、監督処分としての業務停止処分事由に該当することとなる。
保証協会への加入・事務所増設の流れを図解


問題に挑戦!
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によると誤っている。どこが誤っているのかを見つけ、理由を述べよ。
1.宅地建物取引業者は、保証協会の社員の地位を失った場合において、保証協会に弁済業務保証金分担金として150万円の納付をしていたときは、全ての事務所で営業を継続するためには、1週間以内に主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金として1,500万円を供託しなければならない。
2.宅地建物取引業者で保証協会に加入した者は、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
3.還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅地建物取引業者は、その地位を失った日から2週間以内に弁済業務保証金を供託すれば、その地位を回復する。
4.保証協会に加入した宅地建物取引業者は、直ちに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
答えは全部バツです。詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 保証協会①」を御覧ください。



YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。