この単元は、相続争いなどのドラマでもよく目にする内容ですが、法律上の細かい数字や手続きの違いが頻繁に狙われる分野です。
ここで確実に押さえるべき最重要ポイントは2つあります。
1つ目は、遺言は18歳(成人)ではなく15歳になれば誰の同意もなく単独で作成できることです。
2つ目は、兄弟姉妹には遺留分が一切認められていないことです。また、遺留分を侵害するような極端な遺言であっても、遺言自体が無効になるわけではなく、後から「遺留分侵害額の請求」によって金銭で取り戻す形になるという仕組みも、直感とは異なるため注意が必要です。
それぞれの制度が「本人の最後の意思の尊重」と「残された家族の最低限の生活保障」のどちらを優先して作られているかを意識しながら、知識を整理していきましょう。
あこ課長前回の法定相続分・相続の承認・贈与とともに相続単元として出題されます。
遺言と遺贈
生前に自分の意思を法定の方式に従って表示しておくこと。
未成年者は満15歳になれば、1人で遺言できる。
被保佐人、被補助人も単独で遺言をすることができる。成年被後見人は事理を弁識する能力を回復したときに限り、二人以上の医師の立会いのもとに単独で遺言をすることができる。
いつでも全部または一部を変更、撤回できる。
遺言者が前にした遺言と抵触する遺言をした場合は、抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回したとみなされる。


遺言は遺言者が死亡したときから効力を生じる。ただし、停止条件が付いている場合は、その条件が成就したときに効力を生じる。
特定の遺産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言は、原則として、その遺産をその相続人に単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものとする。その結果、その遺産は何らの行為なしに被相続人の死亡のときに、直ちに相続によってその特定の相続人に承継される。


被相続人が遺言で各相続人の相続分を指定することができる。指定相続分は法定相続分よりも優先される。
共同遺言は禁止されており、2人以上のものが同一の証書で遺言することはできない。
遺言によって財産の一部または全部を、法定相続人以外の人にも無償で譲る行為を遺贈という。特定遺贈(具体的な財産を指定)と包括遺贈(割合で指定)の2種類がある。
遺言者の死亡前に受遺者が死亡すれば効力を生じない。
特定遺贈の場合、受遺者は遺言者の死後、いつでも遺贈の放棄ができる。また、受遺者が遺贈について承認するか否かの催告を受け、相当の期間たっても意思表示をしない場合は、遺贈を承認したものとみなす。
包括遺贈の場合、受遺者は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に承認または放棄をしなければならない。
遺言の執行は相続人が行ってもよい。また、遺言により遺言執行者を指定したり家庭裁判所より選任される場合もある。
遺言執行者は正当な事由がある場合は、家庭裁判所の許可を得て辞任することができる。
遺言の種類
自筆証書遺言は遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自書し押印しなければならない。相続財産目録を添付する場合は、パソコン等で作成することができ自書は不要。ただし、各ページに署名、押印をしなければならない。【検認必要】
自筆証書遺言を作成した遺言者は、法務大臣が指定する法務局に遺言書の保管を申請することができる。【検認不要】
公正証書遺言は証人2人以上が立会い、公証役場にて、遺言者が口述し公証人が筆記等したうえで、署名、押印する。【検認不要】
秘密証書遺言は遺言者が封印した遺言を、公証人1人及び証人2人以上に提出し、公証人が遺言者及び証人とともに遺言書に署名、押印をする。【検認必要】
検認は遺言書の偽造等を防止する手続きがあるが、遺言の有効、無効とは関係ない。
遺留分
遺留分を侵害する遺贈または贈与が行われた場合、遺留分権利者は受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求する事ができる。
遺言によって被相続人の全財産を相続人以外に遺贈するとなった時も有効。


遺留分計算
遺留分の割合は相続財産の2分の1。相続人が直系尊属のみの場合は相続財産の3分の1。
計算:全体の遺留分×法定相続分
例)愛人に4,000万円遺贈する遺言があった場合、妻は1/2(遺留分)×1/2(法定相続分)=1/4
4分の1である1,000万円を請求できる。※妻と子1の場合。
◎兄弟姉妹には遺留分はない。
遺留分侵害額請求の期間
①相続の開始および遺留分の侵害を知った時から1年間行使しない。
②相続の開始時から10年経過。
遺留分の放棄
遺留分は相続開始前に放棄することができる。
ただし、家庭裁判所の許可が必要。(相続開始後は自由)
共同相続人の1人が遺留分を放棄しても、他の相続人の遺留分は変わらない。
遺留分を放棄したものは、遺留分侵害額請求をすることはできない。(相続人にはなれる)
相続の放棄・欠格・廃除で相続権がない者は、遺留分権も失う。
問題に挑戦!
Aには、相続人となる子BとCがいる。Aは、Cに老後の面倒をみてもらっているので、「甲土地を含む全資産をCに相続させる」旨の有効な遺言をした。この場合の遺留分に関する次の記述は、民法の規定によれば、マルかバツか。
1.Bの遺留分を侵害するAの遺言は、その限度で当然に無効である。
2.Bが、Aの死亡の前に、A及びCに対して直接、書面で遺留分を放棄する意思表示をしたときは、その意思表示は有効である。
3.Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAからCに対する所有権移転登記がなされた後は、Bは遺留分に基づき侵害額を請求することができない。
4.Bは、遺留分に基づき侵害額を請求できる限度において、その目的の価額に相当する金銭による弁償を請求することができる。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 相続2」を御覧ください。



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ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。








