今回は、委任について学習します。
この単元の試験出題率は低いですが、改正された点もあるので、チェックしておきましょう。
前回学習した請負と同じく、ガッツリ勉強するというよりは、定期的に動画を見て確認する程度でも大丈夫です。
範囲も広くないので、すきま時間を有効活用して学習していきましょう。
インプットしたらアウトプットもセットで学習しましょう。
委任契約
委任契約とは委任者が受任者に法律行為を依頼する契約。
事実上の行為(事務)を依頼することを準委任契約という。
受任者の義務
善良な管理者としての注意をもって、きちんと委任事務を処理しなければならない善管注意義務を負う。
→報酬が得られる場合も、得られない場合も同様。
原則、受任者は委任事務を自ら行わなければならない。
例外として、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由がある場合は、復受任者を選任できる。
受任者は委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理状況を報告し、委任事務終了後は遅滞なく、その結果等を報告しなければならない。
受任者は委任事務を行うにあたって受け取った金銭、物等を委任者に引き渡さなければならない。
委任者のために受任者の名前で取得した権利も移転しなければならない。
受任者は委任者に引き渡すべき金銭を自分のために使ったときは、その使ったときからの利息を付け、さらに損害があるときは損害賠償もしたうえで引き渡さなければならない。
報酬と必要費
原則、委任契約は無償。
ただし、「報酬あり」と特約を結ぶことができる。
当事者間に特に定めがなければ、報酬は後払い。
必要費を受任者が立替払いした場合、支出した日からの利息を付けて償還請求できる。
また、委任事務のため費用を要する場合、受任者からの請求があれば、委任者は前払いしなければならない。
報酬の支払い
受任者は委任者の責めに帰することができない事由によって、委任事務の履行をすることができなくなった場合、または、委任が履行の途中で終了した場合には、すでに行った履行の割合に 応じて、委任者に対して報酬を請求することができる。
受任者は委任者の責めに帰すべき事由によって、委任事務の履行をすることができなくなった場合、委任者に対して報酬を全額を請求することができる。
ただし、債務を免れたことによって得た利益がある場合は委任者に償還しなければならない。
委任契約の終了
委任契約は両当事者がいつでも契約を解除できる。
ただし、やむを得ない事情がないにもかかわらず、相手方にとって不利な時期に解除をした場合は、損害賠償をしなければならない。
委任契約解除の場合、その効果は過去に遡及せず、将来に向かってのみ、その効果がなくなる。
委任契約の終了自由
委任者 | 死亡 | 破産手続き開始の決定 | |
受任者 | 死亡 | 破産手続き開始の決定 | 後見開始の審判 |
委任契約が終了しても、急迫の事情があるときは、受任者等は委任者等が委任事務を処理できるようになるまで、必要な処分をしなければならない。
委任の終了は、相手方に通知したとき、または、相手方が知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。
問題に挑戦!
AとBとの間で締結された委任契約において、委任者Aが受任者Bに対して報酬を支払うこととされていた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によればマルかバツか。
1.Aの責めに帰すべき事由によって履行の途中で委任が終了した場合、Bは報酬全額をAに対して請求することができるが、自己の債務を免れたことによって得た利益をAに償還しなければならない。
2.Bは、契約の本旨に従い、自己の財産に対するのと同一の注意をもって委任事務を処理しなければならない。
3.Bの責めに帰すべき事由によって履行の途中で委任が終了した場合、BはAに対して報酬を請求することができない。
4.Bが死亡した場合、Bの相続人は、急迫の事情の有無にかかわらず、受任者の地位を承継して委任事務を処理しなければならない。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 委任」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。