宅建士証について、宅建士証の記載事項や書換え交付、再交付、返納、提出など、どのようなときに、どのような手続きをしなければいけないかを学習します。
併せて、宅建士の設置義務と、未成年者についても学習します。
未成年者が専任の宅建士になれるか?ということを、免許、宅建士登録と比較しながら解説していきますね。
これを機に免許単元も復習しておくと、知識の層が厚くなりますよ。
宅建士の単元はボリュームがあるので、3回に分けて投稿します。
宅建士証
宅建士証の有効期間は5年。有効期間が満了すると宅建士証は失効するが、申請によって更新できる。
お客さんから「宅建士証を見せて」といわれたら、宅建士証を提示しなければならない。
なお、重要事項説明をするときは、請求がなくても、必ず宅建士証を提示する(義務)
宅建士の氏名について、旧姓を併記できる。併記後であれば、35条書面への記名など業務において旧姓を使用できる。
重要事項説明の時に宅建士証を提示しなかったら、10万円以下の過料に処せられる。
宅建士証の交付講習
原則;宅建士証の交付を受けるときは、「登録している都道府県知事が国土交通省令の定めるところにより指定する講習で、交付申請前6ヶ月以内に行われる法定講習」を受ける必要がある。
宅建士証の更新の場合も、その都度法定講習を受ける必要がある。
※登録の際に受ける実務経験に代わる講習は国土交通大臣の登録を受けた機関の講習。間違えやすいので注意。
例外;講習を受けなくてもよい者
・試験合格後1年以内に宅建士証の交付を受けようとする場合
・宅建士証が交付された後に、登録の移転とともに移転先の都道府県知事から宅建士証の交付を受ける場合
宅建士証の交付申請
宅建士の登録を受けている者は、登録している都道府県知事に対し、宅建士証の交付を申請する。
記載事項 | |
1 | 氏名 |
2 | 生年月日 |
3 | 住所 |
4 | 登録番号・登録年月日 |
5 | 有効期間の満了する日 |
6 | 交付年月日 |
宅建士の氏名や住所に変更があった場合は、宅建士証を書き換える必要がある。(書換え交付)
併せて、変更の登録の申請も行わなければならない。
宅建士証の書換え交付等
事由 | 行動 |
氏名や住所に変更あり | 書換え交付の申請(変更の登録も併せて行う) |
宅建士証をなくした、破損した | 再交付申請(見つけたらすみやかに旧宅建士証を返納) |
登録が消除された | すみやかに交付を受けた都道府県知事に返納 |
宅建士証が失効した | すみやかに交付を受けた都道府県知事に返納 |
事務の禁止処分を受けた | 交付を受けた都道府県知事にすみやかに宅建士証を提出 ※事務の禁止期間が満了し、提出者が返還の請求をすればただちに返還される |
例)東京都知事登録を受けている人が、神奈川県知事から事務禁止処分を出された場合、宅建士証を提出するのは東京都知事です。
宅建士の設置義務
宅建業者は事務所等に成年者である専任の宅建士を置かなければならない。
専任とは常時勤務する人をいう。(非常勤、パート、アルバイトは×)
専任宅建士と一般宅建士の業務内容は同じ。
専任の宅建士に不足が生じた場合は、2週間以内に補充をしなければならない。
専任の宅建士の人数 事務所
設置すべき法定数は、事務所には宅建業者の業務に従事する者、5人に1人以上。
例)業務に従事する人が17人の場合、17÷5=3.4人。よって、4人必要となる。
専任の宅建士の人数 案内所等
国土交通省令で定める場所には1人以上必要。
下記、①~④に該当し、かつ、契約を締結し、または申込みを受ける場所
①継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で事務所以外のもの
②一団(10区画以上の宅地・10戸以上の建物)の宅地建物の分譲を行う場合の案内所
③他の宅建業者の一団の宅地建物の分譲の代理や媒介をする場合の案内所
④業務に関する展示会場や催し会場
未成年者の宅建士
専任の宅建士は「成年者」でなくてはならない。
宅建士が未成年者であっても、「宅建業者本人」「法人の役員」である場合は、その者が主として業務に従事する事務所等については、「成年者である専任の宅建士」として扱われる。
未成年者の扱いは、宅建業者免許、宅建士登録、専任の宅建士になれるか?でそれぞれ変わりますので、比較して覚えておきましょう。
免許の可否 | 宅建士登録の可否 | 専任の宅建士になれるか | 専任の宅建士になれるか | |
成年者と同一の行為能力を有する未成年者 | ◯ | ◯ | ◯ 例外)宅建業者本人または法人の役員 | ◯ 原則)左記以外 |
成年者と同一の行為能力を有しない未成年者 | ◯ 法定代理人の審査あり | ✕ | ✕ | ✕ |
問題に挑戦!
宅地建物取引士資格登録(以下この問において「登録」という。)及び宅地建物取引士証(以下この問において「宅建士証」という。)に関する次の記述は、宅地建物取引業法の規定によると誤っている。どこが誤っているのかを見つけ、理由を述べよ。
1.宅地建物取引士は、常時宅地建物取引士証を携帯して、取引の関係者から請求があったとき提示することを要し、これに違反したときは、10万円以下の過料に処せられることがある。
2.宅地建物取引士は、勤務先を変更したとき、宅地建物取引士証の書換え交付の申請を行わなければならない。
3.宅地建物取引士A(甲県知事免許)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事するため、登録の移転とともに宅地建物取引士証の交付を受けたとき、登録移転後の新たな宅地建物取引士証の有効期間は、その交付の日から5年となる。
4.宅地建物取引士A(甲県知事免許)は、宅地建物取引士証の有効期間の更新を受けようとするときは、甲県知事に申請し、その申請前6月以内に行われる国土交通大臣の指定する講習を受講しなければならない。
答えの詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 宅建士3」を御覧ください。
YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。