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不動産評価鑑定基準 原価法・ 取引事例比較法・ 収益還元法・ 正常価格・限定価格・特定価格・特殊価格 宅建2023 

不動産鑑定評価基準

今回は、不動産鑑定評価基準を学習します。

次回解説する「地価公示法」と、毎年、どちらかが試験で出題されています。

不動産鑑定評価基準は深堀りすると沼るので、勉強する箇所は例年試験に出題されているようなところだけで良いです。

鑑定評価の方式・手法と、不動産の価格を学習すればOKです。

実際に計算して価格を出すことはしませんので、大事なワードを暗記して、過去問でアウトプットを繰り返せば1点取れます。

あこ課長

地価公示法とどちらかが出題されます

試験出題率
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目次

不動産鑑定評価基準

不動産の鑑定評価を行うための基準。

原価方式比較方式収益方式
着眼点どれだけの費用が投じられたか?
不動産の再調達に要する原価
どれだけの価格で取引されているか?
不動産の取引事例、賃貸借等の事例
どれだけの収益を得られるか?
不動産から生み出される収益
価格原価法(積算価格)取引事例比較法
(比準価格)
収益還元法
(収益価格)
不動産鑑定評価規準

原則として、この3つの方式から、対象不動産に係る市場の特性等を適切に反映した複数の手法を適用すべきとされている。

不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるが、これを最有効使用の原則という。

不動産の鑑定評価で求める価格

①正常価格(原則)

市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で、合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格。

正常価格

売り手と買い手に特別な事情がない状態で双方が納得した不動産を売買する取引価格。

②限定価格

市場性を有する不動産について、不動産と取得するほかの不動産との併合などに基づき、正常価格と同一の市場概念の下において、形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価格。

限定価格

隣接地を購入することにより、価格の上昇を踏まえた価格。

売買当事者が限定される価格。

③特定価格

市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的のもとで、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより、正常価格と同一の市場概念のもとにおいて、形成されるであろう市場価格と乖離することとなる価格。

特定価格

「民事再生法」に基づいて、今すぐ法人が所有する不動産を売却(早期売却)とした場合を想定した価格。

「資産の流動化に関する法律」に基づいて投資家に示すための不動産の価格。

④特殊価格

市場性を有しない不動産について、利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格。

特殊価格

重要文化財の指定を受けたお寺など、その保存を目的として評価を行う場合の価格。

不動産鑑定評価方式

原価法

価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、これについて減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める。

減価修正の方法として、耐用年数に基づく方法と観察減価法があり、原則として、この2つを併用する。

対象不動産が「建物」または「建物およびその敷地」である場合は、再調達価格を容易に把握できるため有効

対象物が「土地」のみの場合は、再調達原価を求めることが容易な造成地、埋立地などの時に有効だが、既成市街地の土地は再調達原価を算定するのが難しいため、一般に原価法は適用しない。

「土地」についての原価法の適用において、宅地造成直後と、価格時点とを比べて、公共施設や利便施設等の整備などによる環境の変化が価格水準に影響を与えていると認められる場合には、地域要因の変化の程度に応じた増加額を熟成度として加算できる。

再調達原価

今すでに建っている建物を取り壊したと仮定して、同じ建物をもう一度建てたときの費用→再調達原価:3000万円。

建物や設備が老朽化した分の価格(耐用年数)→減価修正:750万円。

埋立地

再調達原価を求めることが容易な造成地、埋立地には使える。

既成市街地の土地は再調達原価を算定するのが難しいので一般に原価法は適用しない。

近くにスーパーなどができると住宅との価値があがるので、それを価格に反映できる。

取引事例比較法

多数の取引事例を収集し、適切な事例の選択を行い、それに事情補正(特殊事項を考慮して適切に補正)及び時点修正(取引事例の価格を価格時点の価格に修正)を行い、かつ、地域要因の比較および個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量して、対象不動産の試算価格を求める。

農地地域にある建物やその敷地など、不動産の取引が極めて乏しい地域における不動産や、神社・寺院・学校など、取引が極めて少ない不動産については適用が困難。

★取引事例は原則として、近隣地域または同一需給圏内の類似地域に存在する不動産から選択し、必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺地域に存する不動産から選択する。

★取引事例は正常なものと認められるものであること、または正常なものに補正できるものであること。ただし、投機的取引事例は含まない。

★時点修正をすることが可能なものであること。

★地域要因および個別的要因の比較が可能なものであること。

※★は取引事例比較法における取引事例のみでなく、原価法における建設事例や、収益還元法における収益事例にも当てはまる。

同一需給圏

取引事例は原則として、近隣地域または同一需給圏内の類似地域に存在する不動産から選択し、 必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺地域に存する不動産から選択する。

多数の取引事例に事情補正及び時点修正を加えて算出。

投機的取引事例は含まない。

取引のほとんどない地域や、取引が極めて少ない不動産には適用困難。

収益還元法

対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益と、最終的な売却価格から、現在の対象不動産の試算価格を求める。

収益価格を求める方法には、一定期間の純収益をベースに算定する「直接還元法」と、連続する複数の期間に発生する純収益などを合計して算出する「DCF法」がある。

重要文化財の指定を受けた建物等の、一般的に市場性を有しない不動産以外のものには、基本的にすべて適用すべきとされている。

賃貸用不動産のほか、一般企業用などの賃貸以外の事業の用に供する不動産に対しても、特に有効だが、マイホーム用地等の自用の不動産の価格を求める場合にも、賃貸を想定することによって適用できる。

市場における不動産の取引価格の上昇が著しいときは、先走りがちな取引価格に対する有力な験証手段として活用されるべきとされている。

賃貸物件

対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益(収益ー費用)と、最終的な売却価格から、現在の対象不動産の試算価格(収益価格)を求める。

賃貸用不動産のほか、マイホーム用地等の自用の不動産の価格を求める場合にも、賃貸を想定することによって適用できる。

お寺など

重要文化財などの市場性を有しない不動産には使えない。

問題に挑戦!

不動産の鑑定評価に関する次の記述はマルかバツか。

1.不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別されるが、鑑定評価に当たっては、案件に即してこれらの三手法のいずれか1つを適用することが原則である。

2.取引事例比較法とは、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である。

3.収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産も含め基本的にすべての不動産に適用すべきものであり、自用の不動産といえども賃貸を想定することにより適用されるものである。

4.賃料の鑑定評価において、支払賃料とは、賃料の種類の如何を問わず貸主に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等から成り立つものである。

問題の解説は「あこ課長の宅建講座 不動産鑑定評価基準」を御覧ください。

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この記事を書いた人

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