この単元は、マンションの総会運営やルール作りにまつわる具体的な数字や手続きが問われる重要な分野です。
ここで確実に押さえるべき最重要ポイントは2つあります。
1つ目は、集会の招集通知は原則として「1週間前」ですが、マンションの未来を左右する建替え決議の場合のみ「2ヶ月前」に延長されることです。
2つ目は、部屋を借りている賃借人は、集会で意見を言うことはできても決議に参加する「議決権」は絶対に持っていないことです。
また、議事録に署名する人数(議長+出席区分所有者2名)など、細かい数字がひっかけ問題として狙われやすくなります。
実際のマンションの住民集会を頭の中に思い浮かべながら、誰がどんな権利を持っているのかを整理して学習を進めていきましょう。
あこ課長ボリュームがありますので、3回に分けて投稿します。
集会
集会とは、マンションの区分所有者が集まって、マンションの管理やルールについて話し合い、決議で物事を決める会議。
登場人物
区分所有者=マンションの各部屋を所有する人。
議決権=原則として専有部分の床面積割合。(持分割合)


規約および集会の決議は、区分所有者の包括承継人(相続人など)や、特定承継人(中古マンション購入者)に対しても、効力を生じる。
占有者(借主など)も建物・敷地・附属施設の使用方法については、区分所有者が規約や集会決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。


集会の招集
管理者がいるとき
①管理者は少なくとも毎年1回、集会を招集しなければならない。
②区分所有者(議決権を有しないものは除く)の5分の1以上で、議決権5分の1以上を有する者は、管理者に対して会議の目的たる事項を示して集会の招集を請求することができる。
※5分の1という定数は規約で減ずることができる。
この請求に対して管理者が一定期間内に集会の招集通知を発しないときは、その請求した区分所有者は集会を招集することができる。
管理者がいないとき
区分所有者(議決権を有しないものは除く)の5分の1以上で、議決権5分の1以上を有する者は、集会を招集することができる。
※5分の1という数字は規約で減ずることができる。
集会の招集通知
集会の招集通知は原則として、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して各区分所有者に発しなければならない。→この期間は規約で伸長できる。
建替え決議が会議の目的である場合は、少なくとも会日の2か月前に招集通知を発しなければならない。→この期間は規約で伸長できる。
集会の招集通知は、区分所有者が管理者に対して招集通知を受ける場所を通知したときはその場所になる。通知がないときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所に宛ててする。
建物内に住所を有する区分所有者、または招集通知を受ける場所を管理者に対して通知していない区分所有者に対しては、規約に特別の定めがあれば、招集通知を建物内の見やすい場所に掲示することができる。
専有部分を数人で共有している場合、共有者は各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもって、議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。招集通知は議決権を行使すべき者1人に通知すれば足りる。定められた者がいないときは共有者の1人に対して通知すれば足りる。
集会の決議
集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除き、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。
決議事項の制限
招集通知が省略された場合は制限無し。
原則
招集通知によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
例外
特別の定数が定められている事項(=特別決議が必要な事項。建替え等を含む)を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる
議決権は書面、または代理人によって行使できる。
区分所有者(議決権を有しないものは除く)全員の承諾がある場合には、書面または電磁的方法による決議をすることができる。
区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者も、会議の目的である事項に利害関係がある場合は、集会に出席したり、意見を述べることができる(議決権はない)。


集会の議事録
集会の議事録は書面または電磁的方法によって作成し、議事録を保管する者は、その保管場所を建物の見やすい場所に掲示しなければならない。
利害関係人の請求があった場合、正当な理由がある時を除いて、議事録の閲覧を拒んではならない。
書面で作成した議事録には議長及び集会に出席した区分所有者の2人の署名が必要。


規約
規約の設定等
区分所有者が集会の決議によって定める、マンションの管理・使用に関するルール。
規約の設定・変更・廃止には、区分所有者(議決権を有しないものは除く)の過半数のものであって議決権の過半数を有する者が出席し(過半数を上回る割合を定めることができる)、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の集会による決議が必要。
規約の設定・変更・廃止によって、特別の影響を受けるものがいる場合は承諾が必要。
分譲業者など、最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書によりあらかじめ一定の事柄について規約を設定することができる。
一定の事柄→①規約共用部分に関する定め ②規約敷地に関する定め ③敷地利用権の割合の定め ④専有部分と敷地利用権の分離処分を可能とする定め
結果的に建物の専有部分の全部を所有することになった者であっても、他の区分所有者から区分所有権を譲り受けたものでは規約を設定できない。
規約の保管等
規約は書面、または電磁的記録によって作成しなければならない。
規約は原則として管理者(管理組合法人の場合理事が保管)が保管するが、管理者がいない時は規約または集会の決議の定めにより、建物を使用している区分所有者またはその代理人が保管する。
規約を保管する者は、利害関係人の請求があった時は、正当な理由がある場合を除いて規約の閲覧を拒んではいけない。
管理者等が保管義務に違反したり、正当な理由なく閲覧を拒んだ場合、20万円以下の過料に処せられる。
保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。


問題に挑戦
建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)についての次の記述は、マルかバツか。
1.管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。また、招集通知は、原則、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
2.法又は規約により集会において決議をすべき場合において、これに代わり書面による決議を行うことについて区分所有者(議決権を有しないものは除く)が1人でも反対するときは、書面による決議をすることができない。
3.建替え決議を目的とする集会を招集するときは、会日より少なくとも2月前に、招集通知を発しなければならない。ただし、この期間は規約で伸縮することができる。
4.他の区分所有者から区分所有権を譲り受け、建物の専有部分の全部を所有することとなった者は、公正証書による規約の設定を行うことができる。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 区分所有法2」を御覧ください。



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ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。








