今回は、賃貸借について学習しましょう。
賃貸借は民法改正で大きく変わったところですので、まだまだ試験に出る可能性が大ですよ。
民法が適用される賃貸借と、借地借家法は、試験でもよく狙われる単元です。
賃貸借と借地借家法、ごちゃまぜになっちゃう人もいますので、単元ごとに整理していきましょう。

ボリュームがありますので、2回に分けて投稿してます。
賃貸借とは
賃料を対価に物の貸し借りをすること。


借りるけど賃料を支払う義務を負わない契約は使用貸借契約という。
使用貸借とは
諾成契約で成り立つ。
無償で物の貸し借りをすること。


賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間は最長50年。
50年を超える期間を定めた場合は、50年に短縮される。
賃貸借契約は更新することができるが、更新後の期間も50年を超えることができない。
期間の定めのない賃貸借も有効。


賃貸借の終了


賃貸借の目的物が全部滅失して使用できなくなった場合、賃貸借契約も終了する。
一部滅失等の賃料減額
賃貸不動産を一部滅失等により、使用収益できなくなった場合、賃料の減額は「当然」に減額される。(請求ではない)


賃貸人による修繕
賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負う。
賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をするときは、賃借人は拒むことはできない。
(例外)賃借人の責めに帰すべき事由で修繕が必要になった時は、賃貸人はその修繕をする義務を負わない。


賃借人による修繕
賃借物の修繕が必要で、かつ、一定の場合は賃借人は修繕をすることができる。
①修繕が必要である旨を通知した、または、賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。(立証責任あり)
②急迫の事情があるとき。


費用償還義務
①目的物の現状を維持するために必要な支出を必要費という。
賃貸人は原則として、賃貸物の使用、収益に必要な修繕を行う義務を負っているため、必要費は賃貸人が負担する。
よって、賃借人は賃貸人に対して、直ちにその費用の償還を請求することができる。
これを、費用償還請求権という。


②目的物の価値を増加させるための支出を有益費という。
賃借人は賃貸契約終了の時に、その価値の増加が現存する場合に限って、支出額または増加額のどちらかを賃貸人の選択に従って賃貸人に償還請求することができる。


原状回復義務
賃借人は賃貸物を受け取った後に、これに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損傷並びに賃借物の経年変化を除く)がある場合において、賃貸借が終了したときはその損傷を原状回復する義務を負う。
ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由の場合はこの限りではない。


任意規定なので、特約を設けてもOK。
問題に挑戦!
AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、マルかバツか。
1.Bが死亡した場合、①では契約は終了しないが、②では契約が終了する。
2.Bは、①では、甲建物のAの負担に属する必要費を支出したときは、Aに対しその償還を請求することができるが、②では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。
3.①も②も諾成契約である。
4.AはBに対し、①では甲建物について売主と同様の契約不適合責任を負うが、②では、契約不適合責任を負うことはない。
問題の解説は「あこ課長の宅建講座 賃貸借①」を御覧ください。



YouTube:あこ課長の宅建講座も併せてご覧ください。
ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。