今回は「抵当権」について学習します。
用語が難しく、登場人物も多くなる傾向がある単元です。
抵当権者と抵当権設定者は誰なのか?を理解しましょう。
また、登場人物の関係図をかくと問題が解きやすくなりますので、日ごろから練習しておきましょう。

ボリュームがありますので、2回に分けて投稿してます。
抵当権とは
債務者が債務の弁済ができないときは、競売に出すなどして、抵当権者がその競売代金などから、ほかの債権者に優先して債権の回収をすることができる担保物権。
抵当権の目的物となるものは、不動産、地上権、永小作権がある。
抵当権の設定契約は諾成契約であり、抵当権者と抵当権設定者の合意で行われる。
第三者に対抗するには登記が必要。


抵当権でよくある相関図


抵当権の順位
一つの不動産に対して、複数の抵当権を設定することができる。この場合、順位は登記の順番
・抵当権の順位は各抵当権者の合意によって変更することができるが、そのためには利害関係者の
承諾が必要であり、また登記をしなければ効力を生じない(債務者の同意や承諾は不要)
被担保債権の範囲
抵当権によって担保される被担保債権の範囲は、原則として元本のほか、利息、その他の定期金や損害金などにつき、最後の2年分に限られている。
ただし、後順位抵当権者などの利害関係者がいないときは、2年分に限定されない。
抵当権の性質
付従性
抵当権は被担保債権が存在してはじめて成立する。
被担保債権が消滅(弁済や時効など)すれば、それに従って抵当権も消滅。
※債務の弁済と抵当権登記の抹消は同時履行の関係ではない。(債務の弁済が先)
随伴性
抵当権は被担保債権が移転すればそれと一緒に担保物権も移転する。


不可分性
被担保債権の全額が弁済されるまで、抵当不動産の全部について効力を及ぼす。
例)1,000万円のうち300万を返しても、抵当権30%が消滅するわけではない
物上代位性
抵当不動産が売却されたり、滅失等してしまった場合に、抵当不動産の所有者が受け取るべき金銭等について行使できる。
対象となる権利、、、売買代金請求権や賃料請求権。
例)抵当権の目的物である家が火事で焼失した場合、火災保険金請求権や損害賠償請求権に対し抵当権の効力を主張できる。
→保険金等を差押えて、債権を回収することができる
※ただし、抵当権者が物上代位するには、抵当権設定者がその保険金等を受領する前に差押えする
使用収益と処分
抵当権が設定されても、抵当権実行までは抵当権設定者は使用することができる。
また、人に貸して賃料を受け取るなど、収益を得ることもできる。
抵当不動産の処分は、抵当権者の承諾を得なくてもできる。


抵当権の効力


第三取得者
第三取得者とは
抵当権のついた不動産を取得した人=抵当不動産の第三取得者。


第三取得者が抵当権を消滅させる


抵当権消滅請求
抵当権が設定され、登記もされている不動産を、抵当権設定者と売買契約を結んだ買主(第三取得者)は、抵当権の登記が契約の内容に適合しないものであれば、抵当権消滅請求の手続きが終わるまで代金の支払いを拒絶できる。
抵当権消滅請求により、抵当権者にお金を支払って抵当権を消滅させた場合、抵当権設定者に支払った金額相当分を償還請求できる。


今回は挑戦問題はありません。抵当権②でまとめて行います。



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