制限行為能力者の取消と追認について解説します。
制限行為能力者を守る取消しがありますが、相手方のことも考えなくてはいけません。
催告権と追認は誰に催告して、確答がない場合はどうなるのかをチェックしましょう。
また、そもそも制限行為能力者が嘘をつく、詐術を使うと取り消しできません。

ボリュームがありますので、2回に分けて投稿してます。
制限行為能力者の取消し
制限行為能力者の法律行為の取消しは、善意の第三者にも悪意の第三者にも対抗できる。




取引の相手方の保護
制限行為能力者の相手方は不安定な立場(いつ取り消しされるかわからない)となる。
制限行為能力者の相手方には催告権がある。
制限行為能力者と取引をした相手方は、1か月以上の期間を定めて確答するよう促します。


詐術
制限行為能力者が、書類偽造などして、行為能力者であると信じさせるための詐術を用い、相手方が問題ないと信じた場合は、制限行為能力者を理由にその行為を取り消すことができない。


取消権の期間制限
追認することができるときから5年、行為のあった時から20年のいずれか早い時が経過すると取り消しができなくなる。
問題に挑戦!その壱
意思無能力者又は制限行為能力者に関する次の記述は誤っている。どこが誤っているのかを見つけ、理由を述べよ。
1.意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、取消しの時点から将来に向かって無効となる。
2.被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を取り消すことができる。
3.土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。
4.被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。
答えは全部バツです。詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 制限行為能力者②」を御覧ください。
問題に挑戦!その弐
制限行為能力者に関する次の記述は民法の規定及び判例によれば誤っている。どこが誤っているのかを見つけ、理由を述べよ。
1.古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
2.被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。
3.成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。
4.精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、4親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる。
答えは全部バツです。詳しい解説は「あこ課長の宅建講座 制限行為能力者②」を御覧ください。



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ブログと連動していますので、さらに理解力がUPしますよ。